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社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

23軒目 「内臓鮮度にこだわる串焼き屋」


内臓鮮度にこだわる串焼き屋

「酉玉」(東京都 白金)

 恵比寿から天現寺方面に歩いていくと、恵比寿三丁目の交差点に到着する。この場所に、ひっそりたたずむ知る人ぞ知る串焼きの名店がある。酉玉だ。

 “酉”と書かれ卵形の印象的な看板、下半分がガラス張りの町屋風に黒く塗られた扉、首都高速のわきを通ると印象的な店だ。

 ガラリと戸を開けると、白髪交じりの大将が威勢のいい挨拶をする。一見するといかつい印象だが、瞳の中に優しさがただよう。寡黙な大将だが、話をすると、とてもおだやかな印象で職人らしからぬ面もある。

 さて、酉玉は串焼き屋と言っても内臓の串焼きで名高い。ふつう、○○鶏のように銘柄こだわるが、そうではなく、とにかく鮮度にこだわる。

 多くの人は銘柄の鶏を使えば内臓もおいしいと考えるかもしれない。しかし、内臓をおいしく提供しようとすると、一番は鮮度だ。

 その日に仕入れた食材をいかに当日使い切るかがポイントになる。当然、時間との戦いになり、遠い場所からの運搬だと、この味は出せない。また、処理施設の食材の扱い方を問題になる。

 内臓は、バキュームで吸い上げている施設が多いが、そのような雑な扱い方では、鮮度の劣化が激しくなる。いかに近くに丁寧に扱う供給先を確保するかがポイントなるのだ。残念ながら、地鶏の処理施設は遠いし、量を確保できる施設は意外なことにない。
 
 酉玉は多くの食通で賑わう。その理由は、鮮度が良い丁寧な材料だけにおさまらない。酉玉は仕込みに半端じゃない手間と時間をかける。例えば、縁側という串がある。この部位は牛で言えばハラミ。だが、牛と違うのはこの部位はとても小さく小指の爪よりも小さい。

 この小さな肉片を集め一本にする。また、ハツモトは心臓の付け根の部分だし、ソリはももの付け根の部分だ。これらを丹念に串として仕上げる。

 この店は串以外のサイドメニューは「全国のうまいもの取り寄せ」のスタイルだがこれも嬉しい。「カマンベール風卵黄チーズ」、「広島こんにゃくのきんぴら」、「野沢温泉直送 違いのわかる野沢菜」を私はいつも注文する。

 今では、このようなスタイルはいろいろな店で見かけるようになったが、この店が始めたスタイルだ。大将に「なぜうまいものの取り寄せを始めたのか」と聞くと、「だって、串にこれだけ手間をかけるとサイドメニューの仕込みは間に合わないでしょう・・」脱帽である。
 
 酒類品揃えもよい。まさに、居酒屋の鏡だ。菊姫の柳社長も出入りするこの店には秘蔵の酒があり、菊姫を楽しむ会などのイベントもよく開催している。

  酉玉
  東京都港区白金6-22-19
  電話03-5795-2950

  詳しくはこちら http://plaza.rakuten.co.jp/yumeakinai/diary/200511080000/

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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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