【好評発売中!】「新春・全国経営者セミナー」講演CD・DVD 

社長のための「コラム&NEWS」
今井繁之の 「上司のためのホウレンソウ」

第9話『上司みずからホウレンソウする』

 ホウレンソウは部下からあるものと思い込んでいる上司がいます。確かに部下からホウレンソウされる場合が多いですが、内気で遠慮深い部下もいるので、そのような部下には上司が自ら体を運んで、「何か困っていることはないか?」と声をかけるべきです。

 上司が「いつでもよいからホウレンソウに来い」と言っても遠慮してなかなかホウレンソウしない部下がいます。困っていること、悩んでいることがないのかといったら決してそんなことはなく、一人でどうしようかと悩んでいる場合が多いのです。

 あるいは与えられた仕事に不安はあるものの、他人の力を借りることなく自力で見事に完遂しようとして頑張っている部下もいます。頑張ってくれるのはよいが、土壇場になって「ちょっと無理みたいです」と打ち明けられても上司としては困ります。

 そのような部下に対して個別のミーティングを行ってもよいし、上司が部下の席に赴いてどうなっているかという進行状況を確認するのがよいでしよう。

 よく見掛ける風景ですが、上司が部下の席に赴いて「おい、どうだ?」といったいささか意味不明の言葉で問い掛けをします。すると、部下から「別に」とか「まあまあです」といった返事が返ってきます。なぜそんな答えになるかといえば「おい、どうだ?」では何を聞かれているか分からないからです。

 中には、上司の質問意図を確認しようとして、「何が?」と問い返してくる若手もいますが、そういった人はあまり多くありません。

 やはり、最初の「おい、どうだ?」という問い掛けがよくありません。抽象的な問い掛けには「別に」とか「まあまあです」と、これもまた抽象的な答えになってしまうものです。

 上司が具体的な問い掛けをすれば具体的な答が返ってきます。

 例えば、「体の調子はどうだ?」と言えば「絶好調です」とか、「仕事の進捗状況はどうだ?」と言えば「ほぼ予定通りです」とか、「仕事の進行上、何か不安、心配なことはないか?」と言えば「A部品の品質が不安定なのが多少気掛かりです」といった答が返ってくるはずです。

 コミュニケーションが苦手な若者が多いだけに上司の方がそれを十分心得て、答え易いように問い掛けはできるだけ具体的にするべきです。

 若い部下の席へ上司自ら体を運んで対話することは必要ですが、責任ある仕事を任せてある中間管理職へも自ら体を運んで「仕事上で何か気掛かりなことはないか?」と問い掛けた方がよいでしよう。

 好ましくない事柄が発生している場合、責任追及されることを恐れて積極的に報告してこない場合が多いからです。

 そういった点で中間管理職からまずいことのホウレンソウがなければ上司自らがセンシティブになってホウレンソウを求めることも必要です。

 同業他社の製品で不具合が発生して大変なことになっているというニュースを目にしたら類似した製品を作っている会社の幹部は「ウチにも同じことが起きていないか?」と関係者に聞き質すべきです。

 聞き質した結果、「当社にはそのようなことはありません」という返事が返ってきたからといって安心しないで、同業他社で発生して当社でまったくといってよいくらい発生していないのは何かおかしいのではないかという疑問を持つべきです。

 また、仕事上のことではなく私的なことについても部下の悩みを聴いてあげることは大切です。

 上司が積極的にホウレンソウの機会を作り、部下に「困っていること、悩んでいることはないか?」と問い掛けることがあると思いますが、部下によっては自分の思っていることをはっきり言わない人がいます。

 またはっきり言わなくても分かってもらえるだろうと自分の思いを遠回しに言う部下もいますので、上司はその辺を察しなければいけません。

 単身赴任で来ている部下が「子供が大きくなってきたので父親として近くにいてあげたい」と言えば、そろそろ妻子のいるところに戻りたいという希望を言っているのだと察してあげなければいけません。  部下が進んでホウレンソウしてくるような雰囲気を醸し出すと共に、上司自らも気楽に部下の席に近付き部下からホウレンソウを受けるべきです。

バックナンバー

筆者紹介

画像 講師写真

講師 今井 繁之

シンキングマネジメント研究所代表

社内・お客様に「報告・連絡・相談」を徹底している会社は、この逆境にあっても、業績が長期安定することを長年の指導経験から実証。
リコー・ソニーに勤務時、論理的問題解決法であるKT法の社内指導を手懸ける。その後、1991年、シンキングマネジメント研究所を設立し独立。指導実績は、キーエンス・シャープ・コープこうべ・NTTデータ・リクルート・伊勢丹…等の企業で、年間1000人を超える社員・幹部に独自の問題解決法TM法を教える。 特にeメール時代の「報告・連絡・相談」の指導は大好評。著書「頭を使ったホウレンソウ」、DVD「営業マンの報告・連絡・相談」(弊会AV局刊)

筆者の関連セミナー

シリーズトップへ戻る 経営コラムのトップへ戻る

画像 ページTOPに戻る