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社長のための「コラム&NEWS」
今井繁之の 「上司のためのホウレンソウ」

第4話『考えた上でホウレンソウさせる』

 何か厄介な問題が生じた時、部下がなぜそのようなことが起きたのか、どうしたらよいかを考えて「自分としてはこうしたいと思っているがよろしいでしょうか?」と報告・相談してくれると助かりますが、これが「大変です、どうしましょうか?」と上司にすべて丸投げするようであると、忙しい上司は一から考えなければいけないので大変です。

 しかし、世の中には、どうしたらよいかを自分で考えることなく、すぐ「どうしましょうか?」と言ってくる、丸投げ社員が多いのかもしれません。

 以前、日本経済新聞に「『現場で考えるのが一番』であり、上司へのホウレンソウは不要」といった記事が出ていました。
 日頃、ホウレンソウの重要性を説いている私はこの記事にびっくりしましたが、これは高収益で知られる電気設備大手のM工業の話です。

 詳細な内容が載ってなかったので、私が想像するに、同社では何か厄介な事柄が発生すると、自分でどうしたらよいかを深く考えずに上司に「大変です、どうしましょうか?」と報告に来る部下が多いので、それでは応用力の乏しい社員になってしまうということでホウレンソウは不要ということになったのではないかと思われます。

 一理あるといえば確かにそうですが、しかし、部下が「なぜそのようなことが起きたのか、どうしたらよいのか」を考えて、ホウレンソウに臨むようになれば、上司も楽になるので、M工業でもホウレンソウ歓迎ということになるのではないかと思われます。

 ただ、部下から「大変です、どうしましょうか?」という報告・相談があると、部下の考えを十分確認しようとせず、自分の経験からどうしたらよいかという判断を即座に下す上司がいます。

 上司が常に「こうしたらよい」という具体的な指示を出すようだと、部下は自分で考えないで上司の指示を仰ぐクセがついてしまいます。これでは部下は育ちません。

 緊急事態発生の場合は別ですが、何かまずいことが起きて「どうしましょうか?」と言ってきたら、自分の永年の経験からどうしたらよいかという答がすぐ出るとしても、それを言わずに、意地悪でも「どうしたらよいと思うか?」と問いかけ、もし、代案を用意してなかったら「少しは考えてこい!」と考えてから報告に来るように仕向けるのが望ましいといえます。

 日頃、部下から報告・相談があると即座に判断してどうしたらよいかを指示する上司に限って、「ウチの部下はいつも俺を頼りにするばかりで困る。自分でもどうしたらよいか考えてきてほしい」と嘆かれます。

 嘆く前に上司をいつも頼りにして自分で考えようとしない癖をつけさせてしまったのではないかと反省する必要があります。

 部下に「考えてこい!」と言っておきながら、部下があれこれ考えて代案を持ってくると、即座に「これはダメだ、話にならん!」と部下の代案を言下に否定する上司がいます。

 「話にならん!」とまで言われてしまうと、気の強い部下であれば別ですが、普通の部下は上司に「どこがいったいよろしくないのですか?」と反論するのはむずかしいです。

 ところが、上司が「今一つだ、これは同意できない」という言い方をすると、「どこがよろしくないのでしょうか?」と問いかけやすいものです。

 部下が代案を持ってきた際、上司の(1)「これはダメだ。問題にならない」ともう一つの(2)「私はこれには同意できない」の二つの答え方には、大変な違いがあります。

 「これはダメだ」といういい方は、相手の考えていることを全面否定しています。

 「社長、どこがダメなんですか、なぜ問題にならないのですか?」と反論できる人は少なく、このように言われたら普通の人はそのまま引っ込んでしまいます。

 これに対し、「私はこれには同意できない」という言い方は、相手の考えを一応尊重しているといえます。

 「同意できない」という言い方は(君の意見は分かるけど、私の考えていることと少し違う。すぐに賛成することはできない)といった意味が込められています。

 明らかに見当違いの代案を持ってきた時は「これはダメだ、問題にならない」という言い方をしてもやむを得ませんが、部下が一応、苦労して考えてきたようであれば、「同意できない」という言い方が好ましいといえます。

 このような表現であれば対話あるいはディスカッションの道を開いていることになるので上位者は意識してこの「同意できない」を使うべきです。

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筆者紹介

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講師 今井 繁之

シンキングマネジメント研究所代表

社内・お客様に「報告・連絡・相談」を徹底している会社は、この逆境にあっても、業績が長期安定することを長年の指導経験から実証。
リコー・ソニーに勤務時、論理的問題解決法であるKT法の社内指導を手懸ける。その後、1991年、シンキングマネジメント研究所を設立し独立。指導実績は、キーエンス・シャープ・コープこうべ・NTTデータ・リクルート・伊勢丹…等の企業で、年間1000人を超える社員・幹部に独自の問題解決法TM法を教える。 特にeメール時代の「報告・連絡・相談」の指導は大好評。著書「頭を使ったホウレンソウ」、DVD「営業マンの報告・連絡・相談」(弊会AV局刊)

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