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社長のための「コラム&NEWS」
今井繁之の 「上司のためのホウレンソウ」

第3話『まずいことの報告にも怒るな』

報告・相談の遅れがちの部下に「ホウレンソウをなぜしなかったのか、あるいはタイミングのよいホウレンソウがなぜできなかったのか」と問うと、

たいがい、「報告を早めにしなければならないということは百も承知していますが、上司に叱られるのが怖くて報告できなかったのです」と言います。

部下から好ましくないことが起きたという報告があれば、上司としては「なんでそんなバカなことが起きたんだ、責任はどうするのだ!」と怒りたくなるのが普通の人間です。

しかし、このような報告の場合、報告する方としても、叱責されることは覚悟して、勇気を奮って報告してくるのが通常です。

そういった点で怒りたい気持ちはひとまずおさえて、部下に「どうなっているのか」という事実を報告させた上で、「なぜそのようなことが起きたのか?」と問い掛け、ことの経緯を説明させるという具合に、冷静に対処すべきです。

もちろん、「どうして防げなかったのか?」「なぜもっと早く報告してくれなかったのか?」ということを部下に聞き質すことも必要です。

しかし、当面、優先すべきことは、この事態に対してどのようにしたら関係者への迷惑を最小にできるかを冷静に検討することです。

上司があまり激しく怒るようだと、気の弱い部下はなんとか自分の力で状況を好転してから報告をしようと思うものです。

好転すればいいのですが、状況はますます悪化してしまい、さらに報告しづらい事態になってしまうということはよくあることです。

「ホウレンソウ」が適切に行われない理由の一つに『すぐ怒る上司の存在』がありますので、上司たるもの、できるだけ自分の感情をコントロールしなければなりません。
 
次のような格言があります。
「私が今感じていることはどうにもならない。しかし、私がどう考え、どう行動するか は自分で決めることができる」

人間だから怒りたいという感情になるのは仕方がありませんが、でも、人間であるからその感情をコントロールすることもできます。
上司たるもの、ぜひ心掛けてもらいたいことです。

仕事上でミスをすることは決して好ましいことではありませんが、そのようなことは絶対許さない、厳罰に処するということでミスしたことへの責任追及が厳しいものであると、当該責任者である部下は正直な報告を躊躇してしまいます。

湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故で多数の死者を出した某社の事故当時のトップだったK社長は、謝罪の記者会見の席上で、関係部署から事故の報告がすべて上がってきたわけではないことを明かし、「私が安全を強調しすぎたため、(事故の)正直な報告が出しにくくなったかもしれない」と話しています。

あまり厳しく叱り、過酷なペナルティを課すようであると正直な報告を妨げることになりかねないので少しは考えるべきです。

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筆者紹介

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講師 今井 繁之

シンキングマネジメント研究所代表

社内・お客様に「報告・連絡・相談」を徹底している会社は、この逆境にあっても、業績が長期安定することを長年の指導経験から実証。
リコー・ソニーに勤務時、論理的問題解決法であるKT法の社内指導を手懸ける。その後、1991年、シンキングマネジメント研究所を設立し独立。指導実績は、キーエンス・シャープ・コープこうべ・NTTデータ・リクルート・伊勢丹…等の企業で、年間1000人を超える社員・幹部に独自の問題解決法TM法を教える。 特にeメール時代の「報告・連絡・相談」の指導は大好評。著書「頭を使ったホウレンソウ」、DVD「営業マンの報告・連絡・相談」(弊会AV局刊)

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