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社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

29軒目「不況になったら開眼した アジア料理店」


「是空」(広島・安佐南区)


 広島市に安佐南区という住宅地がある。住宅地と言っても広島ゆえ人口は多く45万人あるそうだ。

 しかし、リーマンショックに始まった世界同時不況の影響もあり、どの店も苦しいようで、ふとフリーペーパーを広げると、3000円で飲み放 題、食べ放題のような捨て身の販促をしている店をみかける。

 そんな状況下、開店の午前11時となると行列ができる店がある。「是空」だ。

 是空は倉庫を改装した二階に、アジアのインテリアが立ち並ぶ異空間である。その、異空間でアジア料理のブッフェを行い、主に主婦層を中心に人 気を呼んでいる。



 主婦に人気の店はここ10年で大きく変遷している、もう時代遅れかも知れないサンマルクのようなコースレストランに始まり、カフェ、そして、 少し前に流行だった野菜バイキング。

 この時代の流れの中で、ターゲットだった主婦層も、段階ジュニアから新しい世代に移行した。まだ店が未成熟だった10年前の段階ジュニアの主 婦層も、そのひと世代下に移行しはじめると、ちょっと見た目で優れているくらいでは、すぐ来なくなるようになった。

 スタバも「特別にお洒落という感覚が無く普通」と感じ、サイゼリアの安さも「別にふつう」という今の20歳代主婦だ。その世代に支持されるの は実に難しい。

 しかし、この店のオーナーの小西さんはやってのけたのだ!

 まず、満席を60席にしていつも盛況感がある売場にして、潰した席にベビールームつきのキッズルームを設けた。



 私の事務所には、「今のお客様は非常識で客席でオムツを替えている」という。食事している人は確かに不快かもしれないが、ファミーレストラン でもオムツをかえるスペースがない店も多い。昔なら、車に行って交換するのが常識なのだろうが、今はそうではない。店が用意するのだ。

 この視線は今の20代の女性の子供を持った視線で考えないと導き出せないのだろう。

 キッズルームでゆったりしている主婦の後姿を見たときに形だけなく顧客視線で店を作ることができる「是空」の強みを感じる。

 そして、主婦は“ちょっとした得”が好きだ。別に理由があって12時すぎに来ているのではないのだ!この店のバイキングはちょっと早くいけば 150円安く食べられる。



 もちろん、夜も集客している。その秘密は、本来夜のターゲットとなるカップルやサラリーマン以外の客層を開拓したことにある。その秘密は、居 酒屋でないところにある。

 食事にお得感を出したのだ。

 例えば、子供のドリンクはサービスにした。ソフトドリンクバーの特売日も設けた。いずれにせよ、主婦やシニアが夜ファミリーで平日来店するよ うになったのだ!



 そして、「是空」は食事いただいた金額のうちひとり10円をいろいろなところにカンパする。売上云々ではなく、いましかできないことを、しっ かりやっている気がする。



 ますます、是空の快進撃は続くに違いない。発展を期待したい、これからの成熟時代の店なのである。


アジア料理 「是空」
広島県安佐南区八木2丁目13-23(梅林駅そば)
電話 082-873-3320

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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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