社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

20軒目 「小商圏を生き抜くヒントを与えてくれる定食屋」


「リストランテ中田中」(福岡市・南区)


 幅広いニーズに応えることが小商圏を生き抜くポイント

 戦後から続いた右肩上がりの成長のステージはバブルをピークに、1990年から成熟のステージに入った。

 外食産業はこの時代に最後の普及が急速に進んだ。それがハレの外食から日常化という、生活の中の食への密着だった。

 バブルが崩壊し、デフレの時代に入り、まず、生産性の向上が勝ち組の条件になった。そのために外食産業は、それまでの食材を見直し、効率化を 図った。外食産業はバブルの崩壊から食の工業化が急速に進んだ。その工業化は技術との決別でもあった。結果、パート化が進んだ。

 成熟のステージに登場した生産性の高い、サイゼリア、バーミヤンなどのカテゴリーキラーによって、消費者はこの上ない便利さを手にし、食の外 部化の“便利さ”に酔いしれたのだった。当然、外食産業はすそのが広がり、市場を広げ1997年まで成長をとげた。

 しかし、その後のステージを考えると外食産業にとって、必ずしも良かったとは言えないだろう。まだ、業界全体の生産性が低い中で、自社が突出 して生産性が高ければひとり勝ちの恩恵を受けられる。しかし、生産性の向上が裾野まで広がると、これ以上、利益の捻出をはかることができなくなってくる。 もう、濡れ雑巾には余分な水分が無い状態になった。

 さらに、コンビニや弁当屋の中食の台頭で、ランチ需要の競争は多元化し、競争が激化し、商圏が狭まった。2005年くらいから、成熟の時代に みんなが賞賛した生産性の向上を追う経営に綻びがみえ始めた。それが、構造計算偽装、食品の産地偽装、日付改竄なのだが、堰を切ったように矛盾が見え始め た。この現象について、私の友人中島セイジ氏は熟れきった果実が腐り始めた、ジュクジュクになったということで「ジュクジュク時代」と名づけ た。

 前置きが長くなったが、そんな狭まった商圏――を生き抜くヒントを与えてくれる店を、福岡市の平尾エリアで発見した。店の名前は「リストラン テ中田中」だ。



 ぱっと見ると、東京の大戸屋を髣髴させるふつうの定食屋だが、ここには幅広いニーズに応えうるシカケがあった。

 福岡市と言っても、ちょっと便利な完全な住宅地。そんな場所だから、商圏が小さい。小さい商圏ではいろいろなシーンで利用してもらい、他頻度 利用を実現しないといけない。

 そのキーワードに安さと高さの両立があげられる。

 店は、初めて来店して、ぱっとみると二品のおかずを選んで900円弱のこ綺麗な定食屋に見える。ボリュームもあり、東京から来た私にはコスト パフォーマンスが非常に良いように見える。



 しかし、よく、メニューを眺めるとごはんセットのようなものがあり、おかずをひとつだけを選べば、500円そこそこで食事ができる。これが、 地元の女性に受けているそうだ。

 博多は商圏特性として、安いのがいい人が多い。特に女性は経済観念がある人が多く、コストパフォーマンスを重視する人が多い。このメニューは なかなか見出せないかもしれないが、そのような目ざといお客さんは探し出す。同じメニューでありながら、人それぞれの視点で選ぶものが変わる、それがこれ からのメニューブック作りのキーワードだ。

 そして、中トロいくら丼の中トロがすばらしい。定食屋でこの程度のものを出す店があるのかという声もブログなどで見かける。

 私が思うに、そのポイントが店名に「リストランテ」とつけていることそして、こぎれいな内装にあるように思う。



 とにかく、絶妙なコーディネートで真似はできないように思った。

 「ジュクジュク時代」は「脱脚本」そして、コーディネート、演出の時代。パーツが同じようでも売れない時代。

 そんなことをこの店が教えてくれているような気がする。


 「ジュクジュク時代」のキーワードをまとめた本を書きました。

「女性リピーターが収益を呼び込む――繁盛力」です。

3月15日WAVE出版から発売されます。1400円(税別)です。ビレッジバンガード、オイシックスなど共通したシカケがあったので す。


リストランテ中田中
福岡市南区那の川2-4-32 シングルレジデンス平尾1階
電話 092-533-1313





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 有機野菜バイキングをはじめたティア、本、CDなどを扱うビレッジ・バンガード、通販のオイシックス、スターバックス、ニューヨークグリル、 ダイソー、下北沢、ブログ女性に支持される店には共通な法則があるその答えが、大久保一彦先生の新しい本にあります。


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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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