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社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

116軒目 《おいしいそばを手軽に》瀬谷そば @横浜市瀬谷区

 ちょうど私が日本フードアドバイザースクールの校長の任務を終えて、次に何をしようかと思っていた2012年ころ、私の事務所で毎月会員向けに発行しています『四方よし通信』を長年ご購読いただいている池田宏章さんから「いい機械を見つけたので息子に任せて10坪の蕎麦屋を始めるので、コンサルティングして欲しい」と連絡がありました。


 実は、震災前の2007年~2010年ころに、蕎麦店からのコンサルティング依頼や問い合わせが多かった時期がありました。その中でも、機械で打っていた蕎麦を手打ちに変えて苦しまれていたかたのお手伝いをしたとき、蕎麦店の難しさを、実体験をもって勉強させていただきました。
そのため、長年のお客様からの蕎麦店開業の依頼でありましたので、今では考えられないのですが、とても懐疑的で慎重にスタートをしたことを覚えています。

 蕎麦屋というと、とても難しいということで、私がおすすめをしたのが、セルフの蕎麦店でした。損益分岐点が低くなるというのが大きな理由です。
また、お任せになる池田さんの息子さんは、蕎麦はおろか、天ぷらを揚げたこともなかったので、ホールサービスに気を取られないで運営したい、という要素も背景にありました。


品揃えですが、横浜市瀬谷区の郊外ということで、お子様向けにうどんも品揃えして、「そば、うどん」という文言をショルダーに入れ、ある意味、保険をかけてスタートしました。
 こちらの名物は“大根そば”。今で言う、「インスタ映えする」メニューで、大根を自らおろして食べるとてもインパクトがあるぶっかけタイプの蕎麦です。(今は肉ぶっかけそばが人気です)


そして、大きめのかき揚げをのせた「天ぷらそば」を次に食べていただきたいメニューにして、券売機のレイアウトをました。


また、サラリーマンのランチや、ファミリーでも利用できるように、天丼、カツ丼、とろろ丼なども充実しました。
言わば、自分自身が日々利用したい店です。

2013年3月、『瀬谷そば』はオープンしました。
オープン当初は、昼に集中したため、初めての蕎麦店ということで、オペレーションに慣れないこともあり、こなすので精一杯。提供時間も15分くらいかかっていました。
売上も3万円前後の日々が続きました。
オーナーの池田さんは何度も商売を立上げてきたので、慌てず、「じっくり店を作っていきましょう」とおっしゃいました。

 私たちは、提唱している商品はもちろん、コンセプト的な魅力に自信があったので、営業提供時間の安定と、品質の安定を軸に運営水準の安定をはかりました。

 半年くらいして、食べログの投稿が増えて、徐々に点数もあがり、今では3.5点あります。2年後には売上も月商300万円を超えるようになりました。10坪の店、朝7時から19時の営業時間、年中無休ですから立派です。
2015年以降は月商350万円にまでなる月が出てきました。

 その頃、オーナーの池田さんから、「ここまでこれたのは大久保さんのおかげだから、研修店舗に使っていただいたり、他のかたに利用したりしてください」とお墨付きをいただきました。
そこで、蕎麦のパッケージのコンサルティングを本格的に始めたわけです。
少子高齢化社会ということと、ヘルシーブームで蕎麦には、震災前にお手伝いしていたときとは全く違う追い風が吹いています。そのため、飲食店に参入したいかたから多くのご用命をいただくことになりました。
ただし、良いことばかりではありません。
札幌の駅界隈や広島の立町界隈では、こちらの店の成功要因を見落としたために、失敗しました。
その後、再度『瀬谷そば』の成功要因をもとに試行錯誤して、「こうすればうまく行くだろう」という仮説を加えた広島廿日市市の『十兵衞』でコツがわかり、姫路の『姫そば』では昼だけの営業で20万円になるパッケージとなりました。
今春、札幌や広島の町中の店での失敗を活かして、有楽町のガード下に都心型の店をオープンさせます。

『瀬谷そば』は、大久保一彦=蕎麦屋のコンサルタントという金看板ができるきっかけとなる意味深い仕事となったのです。


瀬谷そば
神奈川県 横浜市瀬谷区 瀬谷 6-19-4 1F
電話 045-302-0017

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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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