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第70話 所有不動産に仮差押・差押をされたら…(7)

仮差押・差押をされた不動産の売却について書いてみようと思う。

仮差押・差押をされた不動産の売却は競売しかないと思う人もいるようだが、任意売買もできる。ただし、これも差押債権者がだれで、不動産の先順位担保設定金額と売却代金の関係でどうなるかが決まる。

無剰余不動産での差押事例を下記に図式化してみた。

時価3,000万円の不動産にC銀行が根抵当を1億1,000万円設定していて、実際の融資は8,000万円。
この不動産に役所から税金の滞納900万円を根拠として差押されたとする。

この場合、この不動産ははたして任意売却できるのかということについて考えてみたい。


もしも、差押債権者が民間なら印鑑代といわれるおカネを差し出すことでこの差押は解除できるので、任意売買は可能となる。その相場は誰がみても無剰余不動産なら、30万円~50万円というところだろう。
ところが、上記のケースは地方自治体などの役所が差押債権者で、その解除については予想しがたい。
無益な差押は禁じられているが、平成11年の高松高裁の判決を引用し役所側は 常に合法と主張する。

じっさいに3,000万円で任意売買のはこびとなって、役所に差押解除をお願いしに行くと、その役所によって対応はまったく違うのだ。「900万円全額納付してもらわないと差押解除いたしません」という役所もあれば、300万円納付していただき、以後毎月50万円づつ納付してくださいという結論になるところもある。じっさいどんな反応が返ってくるかは読めないのだ。

ただし、どの役所にもいえることだが、税金等の滞納額が100万円以上なら、民間債権者の印鑑代程度の金額では絶対に任意売買を認めてくれない。

それでは、役所はこの不動産を競売にだすのかというと、これはありえない。なぜなら役所が競売手続をすすめても回収できないので裁判所がそれの取消しを行う。これを無剰余取消し(注1)という。

上記のケースではC銀行が競売手続をしないうちは、この不動産が使えるということになる。


(注1)

(裁判所ホームページ/無剰余取消しを回避する方法について)に無剰余取消しの説明があります

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筆者紹介

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講師 坂田 薫

企業再生コンサルタント

東京都中小企業振興公社の事業承継・再生支援事業登録専門家。専門は企業再生、ビジネスモデル、WEBマーケティング、SEO。ITと絡め、新しい成長戦略を立案、事業を軌道に乗せる実力コンサルタント。 金融機関にて20年に渡り、外為審査、ドル円中心のデイーリング、外為日銀担当等を経て、支店の融資担当次長を経験、数々の事業プロジェク トに財務と事業モデル開発の両面から支援。1000社以上の企業に携わる。  著書は「1年で黄金の会社を生み出すカラクリ」「決算書からお金持ち会社の作り方がわかる」、「社長さん!あなたの資産と会社を守る最後の一 手、教えます!」

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