社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

99軒目 養鰻家直営の鰻店

 私が最近、興味を持って勉強しているが鰻です。福岡に行くことが多く『山道』と小倉の『田舎庵』を交互に行って勉強しています。今回は、そのひとつ『山道』をご紹介しましょう。

 『山道』は“孤高の養鰻家”と称され、宮崎は日向ですばらしい鰻を育てると業界で評判の山道氏直営の店です。


 リーフレットによれば、養鰻場は丘陵地で伏流水を使用するので水は非常に良く、餌もサバ等とてもコストをかけているようで、すばらしい鰻が食べられるとのことです。こちらの店で提供される鰻は「ひむか山道うなぎ」ブランドの最高級のものだそうです。まずは、“うな重”3600円を注文してみましょう。

 こちらで使う備長炭は、日本三大備長炭と称される宮崎県美郷の宇納間(うなま)備長炭で、江戸時代からの伝統を伝承する早目晃さんの約墨を使用。抜群の焼き加減になる模様です。
 米は霧島山麓で四代続く農家、木下進一さんの合鴨農法米で、もちろん、無農薬、無化学肥料だそうで、現地から直送の米を店内で精米し尾鈴山天然水で炊き上げるそうです。凄いですね。

 うな重が来ました。ぱりっと香ばしくて、ふっくらで、うまいです。タレは甘いが、味わいのバランスは悪くないです。聞けばこちらの職人さんは名古屋の知る人ぞ知る名店『うな富士』のご出身だそうです。


 あまり言われることはありませんが、鰻の焼きは串に何を使うかも大きな要素です。つまり、鉄串と竹串では上がりが違います。ちなみに、名古屋あたりまでは鉄串使う店が多く、コナシを入れるか入れないかによっても焼きあがりが違います。コナシとは串を入れた鰻を折り畳む様にして焼を入れる事で脂を落としながら表面パリッとさせる手法です。コナシを入れれば、中はふわり、表面はパリッと、長くすればカリッとなります。この代表が私の好きな小倉の『田舎庵』です。
 ちなみに、名古屋は、地焼きが主流で脂落とさない店も多いので、インパクトがあります。表現を変えると生臭いともいえます。 ただ今回、2015年の9月に食べた『田舎庵』のように、脂にバターのような良さがなかったような印象です。

ちなみに、こちらの店には山椒がありません。それだけ綺麗な環境の脂の鰻を育てているという自信がみなぎっています。

 その後、あまりにもおいしかったので、『田舎庵』と交互に出没するようになったわけです。

 こちらの職人さんは腕がよいので、串ものも食べられます。くりから焼き、ヒレ焼き、かぶとの入った三種盛りがおすすめです。鰻の身を細長く切って串に巻いたものがくりから焼きで、ぷりっとしてふわっとした食感が特徴だとか、塩とタレの2本ついています。ヒレ焼きは鰻7尾分のヒレを巻きつけて焼いたもので、このとろっとした柔らかい身質がこれまたうまいです。かぶとは数匹分の頭を蒸してタレで焼いたもので2016年7月の訪問時は鯖のような香りがしていました。


 『田舎庵』のうざくは見た目がとてもきれいだが、『山道』はとてもシンプルさがいい。胡瓜の酢の物に鰻の蒲焼をのせている。それにしても、酢の物の酢と胡瓜の食感と鰻の蒲焼があいます。


 福岡にお出かけの時は、『山道』と『田舎庵』を巡って食べ比べてください。

山道 (ヤマミチ)
福岡県福岡市中央区薬院4-3-10
電話 092-753-6102
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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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