社長のための「コラム&NEWS」
酒井英之の「Nロード経営法」
第6話 社長がリスクを予見する『小さな窓』
9月に東日本を襲った豪雨の傷跡、恐ろしいですね。
皆さんのエリアは大丈夫でしたか?
昨年の広島の土砂災害、御嶽山の噴火など災害を予知することの大切さを改めて感じます。
できれば桜島の噴火予知ように、日頃から変化を観察し、早め早めの対応できるといいですね。
このことは、ビジネスでも同じです。
主力商品、主力サービスが大丈夫だからと安心してしまうと、競争相手にキャッチアップされたり顧客に飽きられたりして、客離れを招いてしまいます。
そうした事態を防ぐためには、リスクが発生していることを察知できる仕組みが必要です。
抽象的な表現ですが、危険を予知する『小さな窓』を持つのです。
そして、そこから見える景色を絶えずチェックし、いつもと違う場合は事実関係を確認し、早速手を打つのです。
例えば、あるITのソフトハウスのS社長は主力商品の粗利益率の変化をチェックしています。
粗利益率が下がるということは、価格を下げないと売れなくなっているということです。
その理由は以下の2つのいずれかが考えられます。
第1は、競争相手に商品力で負けていること第2は、市場が飽和していること。
この場合、特に危険なのは第2の理由です。
第1の場合は、自社商品の魅力を高めていけば巻き返せますが、第2の理由の場合は、市場全体が縮小しているので長期的な凋落は免れません。
もし、第2の理由が原因での粗利率低下だと確認できたら、早速、新たな事業開発に乗り出す必要があります。
同社長は2005年、それまでの主力事業の粗利益率が下がっていることに気が付きました。
そして、それが市場飽和によるものだと気づきました。
そのため、即座に新分野開拓に乗り出しました。
会社の新たな柱を作るのです。
市場には幾多もの先行企業がありましたが、それまで培った技術を活かした独自性ある商品を約1年半をかけて開発しました。
その結果、市場の一角に食い込み、市場参入から7年かけてシェアNo.1となりました。
「主力商品の市場飽和」という危機を、見事乗り切ったのです。
これは、粗利益率の変化という景色からS社長が環境の変化を読みとったからこその成功です。
さらに、S社長が大事にしている『小さな窓』がもう一つあります。
毎年ビッグサイトで開催されるショウでの、同社ブースへの来場者数です。
上記の新分野に初めて進出した2006年。
同社は、ショウに出展してブース来場者にアンケートを取り、見込み客を発掘する戦術を展開しました。
このとき、3日間のブースへの目標来場者数は3000人でした。
同ショウでのそれまでの過去最高が1500人でしたから、非常にチャレンジングな目標でした。
そこで同社は思い切ったブースのレイアウトの変更やコンパニオンの起用など幾多の工夫を施しました。
すると3日間で、目標を大きく上回る5000人が来場。
それが、同商品が市場認知される契機になりました。
以来、S社長はショウに出展するたびに来場者数をチェック。
来場者が増加し続けることにこだわっています。
それは、ショウ開催後には必ず自社のホームページに「〇〇人のご来場ありがとうございました」と公表するほどの徹底ぶりです。
なぜなら、ショウでのブースへの来場者数は、商品力だけでなく、同社の企業ブランド力を表す『小さな窓』だからです。
現在、同社のブースを訪れる人は12000人を超えています。
ブランド力を測る『小さな窓』を、S社長をはじめ社員全員で大事にしているからこその実績です。
あなたの会社のリスクが見える『小さな窓』は何ですか?
自社がリスクに直面した時のことを振り返ってみましょう。
そして、自社だけの『小さな窓』を見つけましょう。
皆さんのエリアは大丈夫でしたか?
昨年の広島の土砂災害、御嶽山の噴火など災害を予知することの大切さを改めて感じます。
できれば桜島の噴火予知ように、日頃から変化を観察し、早め早めの対応できるといいですね。
このことは、ビジネスでも同じです。
主力商品、主力サービスが大丈夫だからと安心してしまうと、競争相手にキャッチアップされたり顧客に飽きられたりして、客離れを招いてしまいます。
そうした事態を防ぐためには、リスクが発生していることを察知できる仕組みが必要です。
抽象的な表現ですが、危険を予知する『小さな窓』を持つのです。
そして、そこから見える景色を絶えずチェックし、いつもと違う場合は事実関係を確認し、早速手を打つのです。
例えば、あるITのソフトハウスのS社長は主力商品の粗利益率の変化をチェックしています。
粗利益率が下がるということは、価格を下げないと売れなくなっているということです。
その理由は以下の2つのいずれかが考えられます。
第1は、競争相手に商品力で負けていること第2は、市場が飽和していること。
この場合、特に危険なのは第2の理由です。
第1の場合は、自社商品の魅力を高めていけば巻き返せますが、第2の理由の場合は、市場全体が縮小しているので長期的な凋落は免れません。
もし、第2の理由が原因での粗利率低下だと確認できたら、早速、新たな事業開発に乗り出す必要があります。
同社長は2005年、それまでの主力事業の粗利益率が下がっていることに気が付きました。
そして、それが市場飽和によるものだと気づきました。
そのため、即座に新分野開拓に乗り出しました。
会社の新たな柱を作るのです。
市場には幾多もの先行企業がありましたが、それまで培った技術を活かした独自性ある商品を約1年半をかけて開発しました。
その結果、市場の一角に食い込み、市場参入から7年かけてシェアNo.1となりました。
「主力商品の市場飽和」という危機を、見事乗り切ったのです。
これは、粗利益率の変化という景色からS社長が環境の変化を読みとったからこその成功です。
さらに、S社長が大事にしている『小さな窓』がもう一つあります。
毎年ビッグサイトで開催されるショウでの、同社ブースへの来場者数です。
上記の新分野に初めて進出した2006年。
同社は、ショウに出展してブース来場者にアンケートを取り、見込み客を発掘する戦術を展開しました。
このとき、3日間のブースへの目標来場者数は3000人でした。
同ショウでのそれまでの過去最高が1500人でしたから、非常にチャレンジングな目標でした。
そこで同社は思い切ったブースのレイアウトの変更やコンパニオンの起用など幾多の工夫を施しました。
すると3日間で、目標を大きく上回る5000人が来場。
それが、同商品が市場認知される契機になりました。
以来、S社長はショウに出展するたびに来場者数をチェック。
来場者が増加し続けることにこだわっています。
それは、ショウ開催後には必ず自社のホームページに「〇〇人のご来場ありがとうございました」と公表するほどの徹底ぶりです。
なぜなら、ショウでのブースへの来場者数は、商品力だけでなく、同社の企業ブランド力を表す『小さな窓』だからです。
現在、同社のブースを訪れる人は12000人を超えています。
ブランド力を測る『小さな窓』を、S社長をはじめ社員全員で大事にしているからこその実績です。
あなたの会社のリスクが見える『小さな窓』は何ですか?
自社がリスクに直面した時のことを振り返ってみましょう。
そして、自社だけの『小さな窓』を見つけましょう。
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筆者紹介
講師 酒井 英之 氏
事業と組織のN字成長コンサルタント
(株)V字経営研究所 代表取締役
主力事業の業績が伸び悩む企業を次々と増収増益の組織へ進化させる実力指導者
ブラザー工業㈱に入社。ワープロ営業部に配属。市業績低迷が続く中、起死回生の商品開発の指令を受け、若手を中心にラベルライターの「P‐touch」を考案。この商品は今も、全米でシェア70%、国内ではトップシェアを誇るロングセラー商品に大成長。強い組織づくりの基礎を経験。情報機器メーカーへN字成長する一翼を担う。また、コピー機事業部では営業担当として売れない商品を売りまくり、優秀賞を7回受賞。コンサルタントとして独立、世界シェアNo.1の大企業から10人の中小企業まで、約400社の業績停滞企業における主力事業の再生指導・組織進化を手掛ける。シェア8%の商品が70%に躍進した例や、最後発から売り方を進化させ、No.1企業へ成長した例など、社長と組織を時代に合わせて進化させる独自の指導を行う。
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会期:2016年9月28日 (水)
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