社長のための「コラム&NEWS」
酒井英之の「Nロード経営法」

第5話 事業の目的を明確にする『コンセプトの3段活用』

Nロード経営の第5弾は、『コンセプトの3段活用』です。

新しい取り組みは、超えねばならないハードルの連続です。
それを乗り越えるには、チームの心合わせが不可欠。
『コンセプトの3段活用』は、その志を共有化する方法です。

先日、セブンイレブンで1個200円を超えるおにぎり(金のおむすび)を買って食べました。
「金の食パン」と同じ忙しい日常でのプチ贅沢感ですね。

こんな美味しいものをコンビニで食べられるようになると、いよいよコンビニ弁当も「舌で食べる」時代が来たのかなと思います。

これまでは、「食べられればなんでもいいや」ということでコンビニ弁当は「胃で食べる」でした。
目的は空腹を満たすこと。
それが第一目的で、味は二の次でした。

ところが、だんだんそれだけじゃ物足りなくなってきて同じ食べるなら美味しいものがいいとか、毎日同じものでなくてもたまには自分にご褒美とか、そんな感じになってきているように思います。

つまり、消費者は「胃で食べる」から「舌で食べる」へと進化したわけです。
このことを私は、全国で最も人気のある農業公園の「モクモクファーム」の常務に教えていただきました。

モクモクファームはご存じの方も多いと思いますが地産地消をテーマとしたバイキングレストランを経営しています。
どこも評判で、私の家族も大好き。いつも行列ができています。

そのレストランのコンセプトを常務は次のように語ります。

「レストランには3段階あります。
 第一段階が、胃で食べるレストランです。
 これは、食べられればいい店で、テーマは『充足』。
 ボリューム感や速さが命です。

 第二段階が、舌で食べるレストランです。
 これは、美味しいものを味わうという店です。
 「旬」や「本場」などの食材にこだわり、「伝統」を守り「手間」をかけるなどの調理法にもこだわる店で、
 テーマは『向上』です。
 味はもちろん見た目の美しさが命です。

 そして第三段階が、脳で食べるレストランです。
 栄養素として身体に良いものを食べること。
 あるいは、フードマイレージやリサイクルを意識し、環境への負荷を最小限に意識した食材を選んで提供すること。

 レストランばかりではなく、手間をかけた農家も儲かって、お客も店も農家もWin-Winになる関係にあること。

 脳で食べるレストランとはこうした、体内的にも地球環境的にも人間関係的にもバランスの良い状態を
 考えて実践し、お客様がそれを評価してくれる店のことです。
 テーマは『価値創造』です。

 私たちは、この第3段階である脳で食べるレストランを運営しているのです。」


この話を聞いたとき、私は「胃→舌→脳」という人間の進化を「充足→向上→価値創造」に置き換えたことが素晴らしいな、と感心しました。
なぜなら、この進化はどんなことにも当てはまるからです。

たとえば、スマホの普及に当てはめて考えてみましょう。
充足:手待ち時間の有効活用
向上:様々なアプリの登場による生活利便性の向上
価値創造:誰もが発信力を持つ階層のない社会

また、セコムのようなセキュリティサービスに当てはめて考えてみましょう。
充足:犯罪の防止
向上:犯罪者そのものの減少(モラルの高い人の増加)
価値創造:モラルの高いきれいで親切な街づくり

このように、「充足→向上→価値創造」の3段階で考えると、その事業を実施することが長期的に見てどのような価値を生み出すかがわかります。
逆に言うと「何のためにこの事業をやっているのか」という「究極の目的」が見えてくるのです。

私はこの考え方を『コンセプトの3段活用』と呼んでいます。
なんだか、目の前の充足だけを追っていた時に比べてワクワクしてきます。

私は『コンセプトの3段活用』をクライアントのNロードのビジョン開発をお手伝いする時に用いています。
上記のセキュリティの例は、海外でセキュリティビジネスを立ち上げるお客様と考えたものです。

第3段階に気づいたとき、スタッフ一同「絶対にやったほうがいい!」「絶対にやりたい!」と気合が入りました。

あなたもぜひ、自分の事業を『コンセプトの3段活用』に当てはめて考えてみてください。

きっと、「究極の目的」が見えてあなたの中に今までより熱い想いが湧いてくることでしょう。


2015年8月の公開セミナーのご案内


『Nロード経営法』【日本経営合理化協会様主催】

当社が古いやり方に縛られ、イノベーションを起こせずに伸び悩む企業のN字成長をお手伝いするときの独自ノウハウを、昨年から一層バージョンアップして1日のセミナーでお伝えします。

開催:平成27年8月7日(金) 10時~17時
場所:目黒雅叙園

下記で案内しておりますので、興味のある方はご覧ください。
http://jmcasemi.jp/seminar/seminar.php?CONTENT_ID=956

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筆者紹介

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講師 酒井 英之

事業と組織のN字成長コンサルタント
(株)V字経営研究所 代表取締役

主力事業の業績が伸び悩む企業を次々と増収増益の組織へ進化させる実力指導者  ブラザー工業㈱に入社。ワープロ営業部に配属。市業績低迷が続く中、起死回生の商品開発の指令を受け、若手を中心にラベルライターの「P‐touch」を考案。この商品は今も、全米でシェア70%、国内ではトップシェアを誇るロングセラー商品に大成長。強い組織づくりの基礎を経験。情報機器メーカーへN字成長する一翼を担う。また、コピー機事業部では営業担当として売れない商品を売りまくり、優秀賞を7回受賞。コンサルタントとして独立、世界シェアNo.1の大企業から10人の中小企業まで、約400社の業績停滞企業における主力事業の再生指導・組織進化を手掛ける。シェア8%の商品が70%に躍進した例や、最後発から売り方を進化させ、No.1企業へ成長した例など、社長と組織を時代に合わせて進化させる独自の指導を行う。

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