社長のための「コラム&NEWS」
酒井英之の「Nロード経営法」

第4話 台風一過に虹を呼ぶ、トップの『信じる力』

Nロード経営の第4弾は、「信じる力」です。
社長の「現場を信じ任せる力」のことです。

まだ7月だというのに、大型台風が通過しましたね。
台風が通過すると、決まって台風一過の青空が広がります。
とても気持ちいいですよね。

「苦しい時期を耐え忍べば、次には必ず幸せがやってくる…」
人生訓は先人の知恵ではなく、実は自然の摂理のひとつであることを台風の経験から学びました。
どんな苦しみも、台風後の虹を見た瞬間に救われる。
だから、誰もが苦しいときでも耐え抜くことができるのだと思います。

企業経営で吹き荒れる大嵐のひとつが「集団離職」です。
経営に不満を抱いた社員が、その会社の未来に絶望し、一斉に辞めていく。
そして、時にはライバル会社に就職し、敵になる。
そのような状況は、経営者にとって辛いものです。

そんな「集団離職」を経験した経営者が相次いで『カンブリア宮殿』に登場しました。
一人は牛タンのチェーン店「ねぎしフードサービス」の経営者・根岸榮治さん(5/28放映)。
もう一人は、今治タオルの『伊織』を経営するエイトワンの経営者・大藪崇さんです(6/11放映)。

どちらも飲食店での集団離脱経験ですが、原因は同じでした。
トップの高圧的な
「勝手なことをするんじゃない!お前たちに何がわかる!言われたことだけをやればいいんだ!」
の指示命令の連発に、従業員たちは
「言われたとおりに創るだけなら、誰でもできる。自分がここにいる理由がないじゃないか…」
「もうやってやれない!」と嫌気がさしたのです。

では、このような離職から立ち直るにはどうしたらいでしょうか?
実は、カンブリアに登場した2社は、どちらも同じ対策で経営を立て直していました。

それは、残ったメンバーに経営計画作りを任せることでした。
業績不振から脱出するために、どんな手を打つべきかそれを現場の人ばかりのプロジェクトチームで考えてもらうのです。

トップはそこで出た案を承認し、実行段階では任せる。
計画通りに行けば、それを一緒になって喜び、行かなければ、再トライするチャンスを与える。
簡単に言えば、誰もが内側に持っているエンパワーメントを発揮できる機会を提供したのです。

「『信じる力』が人を動かす」は、NHK『プロフェッショナル』の第一回に登場した星野リゾートの星野佳路社長の経営手法ですが、それと全く同じです。

危機的状況下で危機突破を任された2社の社員たちは、経営者の「信じる力」に応えようとしたのです。

この「信じる力」は絶大です。
私がコンサルタントとして初めて、クライアントの次世代経営幹部10人を集めてその会社のビジョン作りのお手伝いをしたのは今から25年ぐらい前です。

以来、何社ものビジョン開発をお手伝いしてきました。
どの会社でも、若手が自分でビジョンを立案するなんて初めてで、選ばれたメンバーも全く自信がない…何をして良いかわからない状態から始まります。

が、それらの会社は皆、ビジョン策定の翌年、必ず目標を大きく超える結果を出しました。
中期目標も決まって大幅超過達成です。

お手伝いした私は、まるで「福の神」のように言われました。
が、私自身、なぜビジョン開発指導したクライアントで毎回判で押したように予想を超える結果が出るのか当初は全然わかりませんでした。

今ならその理由がわかります。
星野社長や、カンブリアの2社の社長と同じ私のクライアントの社長たちの「信じる」力により、それぞれの会社の社員の間に「任せれば、人は楽しみ、動き出す」現象が起きたからです。

集団離脱のような雨雲も、経営者の「信じる力」により、嘘のように去っていきます。
そして、後には本来従業員たちが胸の中に温めていた澄み切った青空と鮮やかな虹が広がるのです。

「信じる力」によって新たな成長軌道に乗ったクライアントとは、人財育成等で長いお付き合いをさせていただいております。
現場のリーダークラスだった人が、役員や後継者に昇進し、その後も先代と同じように「信じる力」でマネジメントするからです。

Nロードの落ち込んだ時に企業を襲う黒雲は集団離職に限らず、企業により様々です。
Nロード経営法を導入された企業が彼ら自身の手で黒雲を追い払い、虹を見上げながら台風一過の青空を歩むことをとても楽しみにしています。


2015年8月の公開セミナーのご案内


『Nロード経営法』【日本経営合理化協会様主催】

当社が古いやり方に縛られ、イノベーションを起こせずに伸び悩む企業のN字成長をお手伝いするときの独自ノウハウを、昨年から一層バージョンアップして1日のセミナーでお伝えします。

開催:平成27年8月7日(金) 10時~17時
場所:目黒雅叙園

下記で案内しておりますので、興味のある方はご覧ください。
http://jmcasemi.jp/seminar/seminar.php?CONTENT_ID=956

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筆者紹介

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講師 酒井 英之

事業と組織のN字成長コンサルタント
(株)V字経営研究所 代表取締役

主力事業の業績が伸び悩む企業を次々と増収増益の組織へ進化させる実力指導者  ブラザー工業㈱に入社。ワープロ営業部に配属。市業績低迷が続く中、起死回生の商品開発の指令を受け、若手を中心にラベルライターの「P‐touch」を考案。この商品は今も、全米でシェア70%、国内ではトップシェアを誇るロングセラー商品に大成長。強い組織づくりの基礎を経験。情報機器メーカーへN字成長する一翼を担う。また、コピー機事業部では営業担当として売れない商品を売りまくり、優秀賞を7回受賞。コンサルタントとして独立、世界シェアNo.1の大企業から10人の中小企業まで、約400社の業績停滞企業における主力事業の再生指導・組織進化を手掛ける。シェア8%の商品が70%に躍進した例や、最後発から売り方を進化させ、No.1企業へ成長した例など、社長と組織を時代に合わせて進化させる独自の指導を行う。

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