【商品発送開始!】「春季・全国経営者セミナー」講演CD・DVD 

社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

70軒目 エキサイティングなうどんや


うどん平
(福岡県)

 最近、福岡に仕事に出かけることが多い。そんな大繁盛店のオーナーから、うどん好きの私に「おいしいうどん屋を紹介しますよ」と打診があった。“博多うどん”はうどん好きの間で評判だ。ただ、今まで行くことがなかった。
 必然的な流れで、翌日、クライアントさんと開店前に『うどん平』に並ぶことになった。
 

 11時30分ちょっと前に『うどん平』に到着。まだ、シャッターは半開きの状態だ。
 しかし、店の前にはすでに20人くらい並んでいる。
 列に並び、開店を待っているとほどなくシャッターがあいて、行列している人々は次々に店内にのみ込まれた。
 ちょうど、席がうまったかなというところで、私の番になった。
 真ん中にひとつ空き席があり、私は先に席に案内された。
 
 この店の名物は「海老天、ごぼう」らしくみんながオーダーしている。
 私もその流れに便乗した。
 
 白髪交じりの店主が淡々とうどんを茹でている。
 その店主は、時折うどんをあげ、一本一本感触を確かめている。これを何度も繰り返している。
 そしてうどんをあげ、水場に移動。〆にかかるのかなとおもいきや、また釜に入れる。
 二度茹でだ。
 その茹でている動きがとても感覚的であるが、丁寧さを感じる。
 
 厨房には、店主の母親らしき初老のちょっと腰が曲がったご婦人がうどんの盛を手伝っている。
 おそらく女将さんなんだろう。
 ときおり客席にいる常連し話しかける笑顔は、安心感を与える。
 もちろん、我々客人だけでなく、ひたすらうどんに集中している店主にもうどんに専念するだけの安心感を与えているに違いない。
 
 盛り込まれたうどんは私の前を通過して、トッピングを載せる。
 ほとんどは海老天とごぼう天だ。
 そして湯煎した大きな徳利に入ったつゆを入れて完成。
 すみやかに、どんぶりはわたり、ホールでサービスに専念する女性にわたり、速やかに客席に届く。そして、端から順番に、行列した順番でなくオーダーを聞いているのに、出てくる料理は行列した順番通りに何一つ間違いなく精密にこなされている。
 見事な流れである。
 
 私は厨房をずっと眺めていた。
 それはあまりにも計算されていないようでとても秩序だったオペレーションなのだろう。
 淡々と各人が役割を演じながらも、“ラーメン武蔵”のようなエキサイティングさを醸し出しているからだろう。
 精密な業務なのだが、エキサイティングな臨場感がある。
  そんな動きのある店だからだろう。待っている時間が長くは感じないから不思議だ。
 “うどん平劇場”と言っていいだろう。こんなエキサイティングなうどん屋ははじめてかもしれない。
 

 さて、私の手元にアツアツのうどんがやってきた。レンゲで汁をまず吸うと出汁が効いた薄味の関東とは違う体にしみる飽きのこない味だ。続いては麺。柔らかいのだがもっちりしたやみつきになる食感だ。しなやかなのにモチモチ感がある。
 先日、うどん職人とヤマト製麺の機械でグルテンを増やしてもっちりさせたが、この麺のしなやさは出せなかった。
 そこには、単なるうどん繁盛店という話ではなく、“生業店のあるべき像”があった。
 感動のランチから始まった素敵な日となった。
 日々是好日 感謝合掌
 とてもいい出会いの旅であった。

うどん平
福岡県福岡市博多区博多駅前3-17-10
電話 092-431-9703

→食べログ内ページ

バックナンバー

バックナンバーを全て見る

筆者紹介

画像 講師写真

講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

筆者の関連セミナー

シリーズトップへ戻る 経営コラムのトップへ戻る

画像 ページTOPに戻る