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社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

54軒目 食べログ最高得点の寿司屋にどうしたらなれるのか?

鮨 さえ喜 (すし さえき)(大阪市北区)

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 最近、食べログでどうしたら高得点を取れるのかについて聞かれることが多い。もちろん、業者を使ってステマを行うのではない。
 そのヒントが今日、御紹介する「さえ喜」にはある。ご存知のかたも多いと思うが食べログ寿司部門で最高得点であるのがこの「さえ喜」である。
 
 食べログの得点を高める上でまず、行うべきことがある。それは、どんなお客様が来ても減点にならない運営である。そのために、おいしい店として不満が出る部分を消す作業を店作りの段階から行わなければいけない。
 覚えておいて欲しいのは、店の経営とおいしい店を探しているレビュアの利害は必ずしも一致しない。したがって、評価されたいことから遠ざかるマーケットイン的なやりかたは、点数が上がらないようになる。例えば、高級店を目指すのに、昼のランチがお値打ち感の訴求となるとその書き込みが増えた場合、リスクとなる。4点以上の高得点を狙う場合のランチは戦略を練らないといけない。
 
 
 6月の初旬、運よく「さえ喜」の予約がとれた。予約時に団体さんと3人のグループに挟まれてちょうど一席空いていたからのようだ。
 店は、新地の目抜き通りにあり、店があるビルも容易にわかる。しかし、外側からこのビルにあることはわかるのだが、入口がちょっとわからない。したがって、一見客は来ないだろう。一等地ゆえ、敢えて一見さんが入らないような設えなのだろう。私は、消去法でそれらしい店の扉を開けた。すると、屋号の入ったのれんがある。
 満席の店内に入り、すぐ、感じのよい店主があいさつされ、席に誘導してくれる。この瞬間にこの店はあたりだとわかる。この雰囲気づくりは減点されないポイントである。

 まず、冷酒を一献。すすめられたのは「鍋島」だ。旬な寿司屋で流行の酒だ。
 そして、まず一品目がテーブルに出される。

 タンブラーのような器に下からもずく、くらげ、山三つ葉、薫香の効いた蛸が入っている。最初からひねりの料理だ。食感のグラデーションを楽しむのだろうか?

 もちろん、さわやかな甘酢で一品目の料理としては個性があり、申し分ない。

 二品目が、海水に浸した鮑だ。あしらいは柑橘の香りとピオーネ。鮑の〆方もインパクがある。

 減点される項目をつぶした後、大切なのがオリジナリティ。この鮑のあらいは提供の方法、組み合わせの妙という点で、オリジナリティがある。
 
*   *   *

 この「さえ喜」は非常にエンターテイメント性のある寿司屋だ。この点も食べログのレビュアが加点するポイントである。
 確かに、東京の人間が寿司屋としてみると、東京の店にないせわしない店に見えるかもしれない。しかし、割烹文化のある関西ではこの点は加点ポイントになる。そのために、仕込み時間に準備しておくのではなく、極力お客様の目の前で料理を作りはじめようという姿勢が伝わる。

 お客様にとっては、技を見る(調理をする行程を見る)のも価値。ただ、それはとてもたいへん。ばたばたもする。しかし、たいへんなことをやるから、お客様は喜ぶ。
 そして、加点ポイントにこれから調理するものを見せることがある。「さえ喜」ではこのことが、徹底されている。二番手のスタッフがそこまでその重要性をわからないが、そうすることで、お客様が食に興味をもつ(人もいる)。そうすることでお客様を教育できる。つまり、興味を持っていただくことが、お客様を育てる重要なプロセスになる。

 お客様を教育するにはお客様の信頼を得ないといけない。その信頼は大将の人柄だ。その信頼を築く瞬間のひとつが、店に入った瞬間の雰囲気だ。

*   *   *

 「イサギとアコウです」と刺身として出てくる魚種を伝える。このような接触が大切なのだ。なぜ大切かというとレビューが書きやすいからだ。
 まず良いのは持ち帰ることができるお品書き。できれば特徴や調理法も書くとよい。次が見せる、説明するのだ。ただし、写真不可にするとメモをとるのが大変だ。本当はお品書きが欲しい。




昆布しょうゆと肝醤油が
添えられている。


 

「後でお出ししますトリガイです」
名物料理のアナウンス。

 
    これが個性的だ。




ヒモもうまい。



この蒸し椀も個性的だ。
上にのったズッキーニがいい。

と、
「こちらのズッキーニは‥」と
説明が入る。
より印象に残る。



うなぎがパリッとしてうまい出汁茶漬けが続く。

シャリを使用している。
口に広がる味わいは最高だ。




ノドグロの椀。

いよいよ寿司だ。ここまでで、かなり、満足している。

そして、寿司は淡々と流れる。

那智勝浦120k。
 

 減点項目はほとんどないだろう。そして、加点項目がこれ以上ある店も少ないだろう。「すばらしい!」上方寿司屋である。

 予約はひとりで数日前にチャレンジしてみて。

 
鮨 さえ喜(すし さえき)
(→食べログ内ページ)
大阪府大阪市北区曾根崎新地1-5-7 森ビル 1F
電話 06-6345-7344


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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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