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社長のための「コラム&NEWS」
大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

51軒目 ミシュランの三ツ星に輝いた寿司屋の違いとは・・

鮨よしたけ(銀座)


 私は寿司店によく出没する。
 「私はなぜ寿司店に行くのであろうか?」とたまに考える。
 
 私は、それなりの寿司屋を利用していて、「ほとんどの店が淡々と寿司を出してくる。せいぜいネタの種類を言うくらいだな」と感じていた。
 それはシャイな大将が人間関係のない私に敢えて説明をしていないのかもしれない。あるいは、自分の握る鮨にプライドを持ち敢えて説明することを必要としないと思っているからかもしれない。あるいは、一見の私の目を試しているからかもしれない。あるいは、ふたり以上で食事をしているから、会話の邪魔をしないことを良しとしているかもしれない。
 「私はなぜ寿司店に行くのか?」の問いに答えを教えてくれたのが、以前、このコラムで紹介した「第三春美鮨」の長山さんであった。長山さんによって、私は寿司という文化を学びたかったのだと気づいた。
 いずれにせよ、寿司が好きなのだ。
 
 そんな寿司好きの私は、寿司談義から花が咲き、友人・知人の持ち店に行くことがある。
 ある日、食べログの人気店に一緒に行ったターニー氏と食事をしていたときのことである。

ターニー:大久保さん、ミシュランの三ツ星レストランになった銀座の店に、
      先日、行ってきましたよ
大久保: なんという店ですか?
ターニー:確か・・・
大久保: どのへんですか?

 こんなやりとりをしていて、どうもその店が私の著書「寿司屋のカラクリ」に登場した「よしたけ」であることが判明した。
 このよしたけの女将はなにをかくそう、私の教え子である。
 
 今回は「よしたけ」がなぜ、ミシュランで三ツ星に輝いたかを考察してみよう。
 私が著書を書いたころ「よしたけ」は、六本木のミッドタウンの近くにあった。店の前が駐車場になり、リーマンショックがあり、新天地を銀座に求めた。
 
 吉武ご夫妻は食べ歩きが大好きで、食事を楽しむということを大切にしている。そして、寿司店はもちろん、フレンチ、イタリアンを食べ歩きそのエッセンスを料理に反映しようとしている。
 テーブルにつくと、まず、季節の突出しが出てくる。高級店ではこの一品目がひじょうに重要だ。この料理でその後の食事が決まってしまうからだ。
 私はミシュランのガイドブックで三ツ星をとった世界のレストランを食べ歩いたが、ほとんどの店がこの最初の一皿にアイデンティティを出そうとしているようにいつも感じる。
 よしたけでは、時にはホタルイカのカラスミ添えであったり、ノレソレのジュレポン酢であったりして工夫をこらしている。
 次に、テーブルにおかれるあしらいがユニークで、この写真をブログに掲載しただけで、「よしたけ」に行ったことがバレてしまう。
 「よしたけ」がミシュランのガイドブックに初めて登場していきなり三ツ星に輝いたのも随所によしたけらしさがあることが大きいように思う。


 続いて、本日おすすめの刺身が次々に皿に並ぶ。大胆にうまい部分だけおしげもなく出される。
 そして、「よしたけ」のスペシャリティである魚の骨で作った醤油に鮃などの白身魚をあしらって提供される。毎日、何時間もかけて作るこの魚の骨醤油、とろっとした舌触りと口に広がる旨みは実に個性がある。多くの人は驚くだろう。
 そして、鮑の肝ソースだ。こちらもスペシャリティで、惜しまぬ手間のたまものだ。この肝ソースにアスパラなどのあしらわれた野菜が非常に合う。
 ミシュランではこのような食材の相性の妙はサプライズにつながり非常に評価される傾向がある。


 鰹のたたきに添えられた、にんにくの香りを移した醤油もユニークだ。油をかるく合わせて、鰹のたたきも独自性がある。
 雲丹を使った料理も人気だ。冬場は蟹と組み合わせ、独自性の高い逸品を提供する。


 このように料理を楽しんでようやく、握りになる。握りも14カンくらいとたっぷりある。ネタの切り付けは大きくきれいな握りだ。
 烏賊は甘味を引き出す包丁さばきで、金沢の弥助寿司を思い出す。
 合間に、イタリアンの料理人であるスーシェフ?が皿を整える。この間がいい。
 さすがは三ツ星に輝いただけある。
 そして、白身魚のタタキの握りは印象的だ。この米わらの薫香が口に入ったとたん言葉を無くす客をみかける。
 ミシュランはこのような絶妙で繊細な薫香が好きなようだ。


 「よしたけ」は誰にでも感じることができるメッセージがあった。
 足を運び、直接取引している食材も多い。ぜひ、一度ご賞味あれ!
 

鮨よしたけ
http://sushi-yoshitake.com/

東京都中央区銀座8-7-19すずりゅうビル
電話 03-6253-7331

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筆者紹介

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講師 大久保 一彦


日本の将来のために創業・第二創業・イノベーションを支援する有限会社
代表取締役

10,000店舗を訪問、「反映の仕組み」を体系化 日本、フランス、アメリカなど1万店舗を実際に食べ歩き、 多くの飲食経営本を著す。 飲食店のもうけの構造を知り尽くした現場コンサルタント。 日本、アメリカ、欧州、1万店舗以上の店舗を訪ね、繁盛の秘訣を体系化し、「オオクボ式繁盛プログラム」を開発。損益分岐点を下げる仕掛けでは、月商400万円売れないと成り立たなかった店を月商180万円でも利益が出るよう指導し、成功させた。 (株)グリーンハウス時代に「新宿さぼてん」を惣菜店多店舗化に成功。独立後は、ハイディ日高、和幸、東和フードサービスなどの新業態開発やメニュー開発などを手掛け、地域密着店、老舗料亭やフレンチ・イタリアンの高級店等の運営から集客法までを一元的に指導。経営者の信頼を得る。 「行列ができる店はどこが違うのか」など著書24冊。

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