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社長のための「コラム&NEWS」
自社を「日本一」に導く!日報活用術

第12話 社長の仕事を加速する日報活用術(最終回)

第11話では「自分自身を育てる必要がある後継社長さん」のお話をさせていただきました。
 
この後継社長Aさん。日報をつけることによって著しい成長を遂げていらっしゃったのですが、思わぬ試練が降ってきました。
会社を継いでからも、社員は皆、先代の頃から勤務してくれていた人ばかり。そんな中で、スタッフ2名が急きょ退職することになりました。
 
「初めての採用、社員教育」という未体験の大仕事に取り組むことになったのです。
 
実は、これがAさんの日報の習慣を、さらに価値あるものにしてくれたのです。そして、その結果、Aさんご自身の力量アップにもつながりました。
 
では、早速まいりましょう!
 

これまでのAさんなら、きっと初めての経験に焦るばかりで、闇雲にいろいろな人に相談して回っていたことでしょう。
 
しかし、日報をつけていたAさんはひと味違いました。
 
大きなプロジェクトでも、目標に向けてやるべきことを書き出す。その目標を視野におさめつつ、日々、仕事を振り返りつつ、進捗を確認していく習慣が身についています。
 
この採用のケースでは、「2名退職したので2名採用」と考えるところでしょう。
 
しかし、それは間違いです。
 
Aさんは、仕事内容、どんな人を雇いたいか、どんな条件で…と考えたことを、どんどん日報に書き出しました。
 
その中で気づいたことがありました。それは「1人雇えば問題ない」ということ。
 
採用に当たってどういうことができる方を採用すればよいかを考えるため、Aさんは、退職する2人の業務を書き出してみました。それを見た時、1人でも十分こなせる業務量だということに気づきました。
もちろん、単純に採用を減らせば「経費削減」になる一方で、社員にとっては「負担増」となります。業務の混乱を招き社員の反乱を招くことも明白です。
ですがAさんの書き出した、仕事の内容、仕事の必要時間、改善点など、社員さんたちにわかりやすく伝えることで、実行に移しました。
 
採用それ自体も非常にスムーズにいき大成功でした。しかも、採用の経験以上に大きな成果を得ることができました。
企業にとっては一大事である「採用」に関して、これまで先代の「勘」が頼りでしたが、Aさんの日報の記録を元に、「オリジナルの採用マニュアル」が完成したことです。
 
残された日報は、その後の組織にとっては貴重な教科書になります。きっと、Aさんにとっても、今回の採用経験とともに、書き記された日報は大きな財産になることでしょう。
 

続いて教育に取り組むことになりました。当初はやたらと時間ばかりがかかっていましたが、そこも日報で改善。
 
日々、「なぜこんなに時間がかかったのか?」「どうやったら新人に理解させられるだろうか?」等々、時間がかかったことについて反省し、翌日には改善するというサイクルが回ります。まさにPDCAの好循環です。
 
その結果、新人教育にかかる時間が減るだけでなく、新入社員の成長もめざましいものになりました。しかも、Aさん自身の企画力、実行力、改善力もアップしています。
 
さらに、日報でチーム(このケースではAさんと新入社員さんの2人)が育つ文化も生まれました。
 
新入社員の行動を、Aさん自身の日報に記録欄を作り管理していったのです。そのことで新入社員の行動と成長が、Aさんにとって「わがこと」となります。指示も的確で、よくある言いっぱなしも、ただ怒鳴り上げるだけの指導もありません。
 
ここからは、読者の方の想像の通りです。
そうです!
 
この教育手法を、そのまま古参のベテラン社員にも適用していったのです。「わがこと」として社員の行動を見守り、声をかけ、励ます文化が自然と生まれていきます。
「後継者」としての気兼ねもありません。他人事(ひとごと)のような指示でも、叱責でもなく、可能性への提案、責任感の共有などなど、チーム全体がまとまりをもって成長していく文化です。
 
Aさん自身が日報をつけ始めて変わったと前回お伝えしました。同時に、このようにチーム全体の「いい文化」が育ってきたことで、会社としても生産性が格段に上がりました。
 
一見、難題に見えた、採用・教育がAさんの会社の飛躍につながったわけです。
 

いかがでしょう?
こんなにうまくいくのか?と思われるかもしれませんね。誰かの成功例をまねたり、マニュアル本を読んで学ぶだけではこんなにうまくいかなかったことでしょう。
 
 
ポイントは、
■社長自らが日報によって「やるべきこと」を体感、実践して成長できたこと。
■自分自身の行動と成長の軌跡が、そのまま社員教育の生きたマニュアルに
 なったこと。
■日報によって「わがこと」として考え、提案する教育手法が生まれたこと。
 
まさに、我が社ならではの、我が社だからこその行動指針と文化が手に入ったのです。
 
学校教育におけるテストと違い、社会には模範解答は存在しません。そして、経営者がその力を試される機会は、日々の業務以外にも、今回の話題である採用、教育、あるいはさらに大きなものとして株式上場など、様々あります。

その時に何を学んだらいいのか?
知恵のあるコンサルタントに依頼するのか?
偉い先生の書いた本を読むのか?
 
── もうお分かりでしょう。自分が歩いてきた成長の道筋、そのプロセスの記録こそが、最高のモデルなのです。つまずいたこと、苦労したこと、成果が上がったこと、すべてが記録されている日報は、まさに「我が社ならではの最高の教科書」です。
 
今回のケースでご紹介したAさんの努力は本当に讃えられるべきものです。
日報は、その努力を正しい方向に導く「自己を映す鏡」となり、時に「行き先を示す方位磁針」となり、さらに「チームを先導する伴走者」として、その大きな役割を担ってきたのです。
 

今回まで1年間、12回にわたって日報の威力をお伝えしてきました。
毎朝、日報に予定を書き込むことから始めてみてください。
「目指すべき目標」が毎日、心に刻み込まれ、意識高く1日が始められます。
 
毎晩、日報に書き込みながら1日の行動を振り返ってみてください。
自分の行動が改善点と「成長余地」にあふれたものであることに気づき、成長と成功の予感にワクワクしながら1日を終えることができます。
 
誰もが理解している「PDCA(計画・実践・チェック・アクション)サイクル」の重要性。
理解していてもなかなか実践となると難しく感じていたことでしょう。しかし、日報なら自然とPDCAサイクルが高密度で回り始め、急上昇のスパイラルを描き始めます。
 
先月もお伝えしましたが、社長の行動、振る舞いがかわれば、必ず組織が変わります。
 

1年の長期にわたりご購読くださった読者の皆様、本当にありがとうございました。この12回のコラムで、「よくある昔ながらの日報」に新しい命を吹き込むことができたでしょうか?
 
今日も、私のPCとファックスには、長く日報を続けておられる方、最近日報を始めた方、悩みながら日報を書いている方などなど、本当に多くの方から日報が届きます。日々新しいドラマ、成功事例、復活事例にあふれています。
またいつか、皆様に役立つヒント満載の事例をお届けできればと思う次第です。
 
日報をつけることで、あなた自身とあなたの会社が大きな成功をおさめられることを、片田舎、小さな山口市からお祈りしています。

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筆者紹介

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講師 中司 祉岐

株式会社ビジフォーム 代表

売上日本一を続々と輩出している日報コンサルタント。 「記録し、発見し、行動を変える」業績向上のための日報を独自に開発。 従来の「書かされている」「続かない」日報とは違い、続けられて、しかも確実に業績に結びつけることができると好評を博している。 導入企業の8割が、わずか1年で劇的な成果を上げ、「売上が倍増した」「事業の立て直しに成功した」…など驚きの声が数多く寄せられている。お金も時間もかけず、商品もサービスも変えることなく、日報をつけるだけで「日本一」になれると、全国の社長から指導依頼が殺到している。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づくなかづか日報』がある。

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