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社長のための「コラム&NEWS」
自社を「日本一」に導く!日報活用術

第10話 「見直しても役立ないダメ日報」を「成果が出る日報」に変える添削術

第9話では、「目標達成できる社員を育てる」をテーマにお伝えしてきました。指導する側の視点、姿勢を変えるという地道なお話をしました。こんな些細なことで効果が出るのかと思われた社長も多いと思いますが、実際、社長が目にする日報に対する考え方が変わるだけで、気持ちも楽になっていませんか?本当に些細なことの中にこそ会社の根幹を変える、土壌を変える秘訣があります。

実際に一か月実践された社長は、今まで見えていなかったものが多かった!!と感じておられると思います。
また、見えていないものというのは今までは悪い事ばかりに目が向いていたのが、改善策を本人に考えさせる指導により社員一人一人が変わってきている姿も見えてくるようになったと思います。
 
ただ、まだまだ伸びるヒントがあるにもかかわらず、つい見落としてしまっている点もあると思います。
 
一見するとだめと思ってしまう社員の日報。
前回は、まず社長が “問題点改善策を本人に考えさせることです” とアドバイスをしたのですが、まだまだ、できなかった報告、できない理由を書いているだけ。
今回の会議は不毛だなど会社の方針に対して否定的な意見を書いてくる。空白が多い。など、指導できないがないと思われていませんか。
 
実際に前回のコラムでも紹介した小規模工務店のA社。社長の添削で、1カ月、2カ月で提出率が変わったとお伝えしましたが、提出が伸びても最初の1カ月は、内容がひどく指導が困難、なかなか成果も出ないと
社長が嘆いておられました。考えさせるといっても社長自身がそこに見えているものにしか注意がいませんでした。
 
できない報告については、前回の内容の復習にもなりますが、できるように考えさせることが第一優先です。
ダメだった理由は何か?次は何をしたらいいか?と、どんどん引き出していくことです。

ただ困るのが空白、例えば、時間軸の行動欄が空白の際には、社長は添削の時、コメントしようがないので何も書かない、大きくバツと書いてしまう事もありました。
そこで僕がアドバイスしたのは、“聞いてみる” こと。

日報をつけ始めて変わったのは、一人一人の社員を社長がよく理解しはじめたこと。どのように行動しているのか、頑張っているのかを毎日日報で見ることで、これまで以上に社員一人一人に対する思いが変わっていきました。このように社員を理解した状態だからこそ聞けるのです。社員を理解していないと、“成績が悪い”“いつも遅刻してくる”等悪い断面ばかりが見えますが、成績がわるいなりにも必死で頑張っている。深夜までサービス残業で残って部下の指導をしているなど見えていなかったものが見えてくると相手に対して寛容になります。
 
また、こういう見えない部分を見ているからこそ、一人一人の社員の可能性があると信じられるようにもなります。可能性を信じていればおのずと社員が変わってこないはずはないのです。
 
ただ、理解しているだけは不完全です。
ここで先ほど僕がアドバイスした「聞いてみること」が大事になるのです。
たった一言かもしれません。
なんで空白になるのかな、その場で書いていないから忘れてしまって書けないのかもしれません。
もしかしたら今日は忙しすぎて書けなかったのかもしれません。
それを言葉にしない限り社員には伝わりません。


小さなこと、些細な事ですが、空白が多いまま出しているスタッフも心に罪悪感、迷いがあるのです。それを受け入れ、問題の原因がどこにあるか、明確にすることで、心の中のモヤモヤが晴れ、スタッフも仕事に邁進できます。
また、こうして引き出していく中で日報の内容は充実してきます。
 
このように 日報添削と、実際の会話により、確かにたくさんの事が書かれるようになり、添削する社長に意見を求めることも増えてきました。
ただ、すべての人が同じように成果を出しているかというと、そんなにうまくは行きません。
 
そこで、日報を少し改良しました。
 
時間軸の予定は出来ているけれど、実際の行動は空白が多いグループは、今日の結果と、その横に気づきや、次回予定など、それぞれの職種、役職に応じて書くべき事を追加。
 
逆にしっかりと記録する営業職の社員の場合、行動記録とともにお客様の情報、次回の準備することなど積極的に記録していました。ただ行動の欄にいろいろな情報を一緒に書いてしまって、せっかく書いたのに、書いたことを整理できずにいる社員にもいました。図Aのような状態です(下図参照)。
 
それをちょっと改善して、図Bのように項目を増やし、次回予定、お客様情報等と書き加えるだけ些細な事でしたが、これでかなり情報が整理されました。具体的には図Cのような記録になり、具体的に項目ができるので、その情報をもっと集めなければという意識が働き、行動にも変化が現れました。
 
 
行動に伴う気付きも、最初は些細な事でも脈略もなく書いていましたが、問題点、改善策、期限と少し区切るだけで改善策について期限を設けて行動するようになり、格段に行動量が増えました。
また、こうして自分自身の書いている日報の情報を整理することで行動について、お客様について、より整理して考えることができるようになります。
 
現場監督などの管理者が自身の日報、また部下の日報を見直すと、現場への無駄な移動時間、無駄に長い工期、予備が多かった資材といった、自分自身の各現場のいろいろな無駄に気づくようになりました。このことで無駄な経費は削減。
 
営業職ではお客様と面談スケジュールや、そこで話すべき営業トークについて事前準備があることで成約率が上がり、1年もしないうちに、売上が上昇。
 
経費削減と、売上アップが同時に進行したので、なかなか利益の出ない体質だった工務店が全盛期の利益と同等の成果を出せるようになりました。
 
日報の項目を変えさせたら上手く行くのか!
簡単ではないかと思われるかもしれませんが、この成果を生んだのは、社長の添削がある事により、自身の日報を見直すようになった社員の習慣です。
見直すことにより、自分を振り返りまた気付きをえて行動につなげていきました。
教えられるだけではなかなか動けませんが、自分の気づきによってこんなこともできるのではというクイズのような感覚で行動し、それが上手く行けば自信につながり良いスパイラルに入って、社員が自分で自分自身を鼓舞して成果を生んでいきます。
 
一人一人はまだまだ成果を出せる、成長出来る可能性を持っているのですが、なかなか指導されると反発してしまう事も、それに対して、自分自身が自分の日報で気づけばおのずと成果に変わります。

社長は添削しただけですが、結果としては自ら成長できる社員ができ、社風、風土ができていきました。
この2週は熟練の社長の日報活用例で、社長自身の経験による添削が功を奏したお話をさせて頂きましたが、日報は、経験が浅い、まだまだ成長過程にある、社長でも成果が出ます。

次回は後継社長がスタッフ削減しても、前年比1.3倍を売り上げるまでになった日報活用術についてお伝えします。事業継承をお考えの社長には是非ご覧いただいたい内容です!
 

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筆者紹介

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講師 中司 祉岐

株式会社ビジフォーム 代表

売上日本一を続々と輩出している日報コンサルタント。 「記録し、発見し、行動を変える」業績向上のための日報を独自に開発。 従来の「書かされている」「続かない」日報とは違い、続けられて、しかも確実に業績に結びつけることができると好評を博している。 導入企業の8割が、わずか1年で劇的な成果を上げ、「売上が倍増した」「事業の立て直しに成功した」…など驚きの声が数多く寄せられている。お金も時間もかけず、商品もサービスも変えることなく、日報をつけるだけで「日本一」になれると、全国の社長から指導依頼が殺到している。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づくなかづか日報』がある。

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